THE program2015/09/09@ROPPONGI

この日、六本木の一角に4人のひとが集まった。お笑い芸人・しずるの村上純さん、女優・モデル・ラジオパーソナリティとして活動する高山都さん、北欧の風に乗ってやってきたオシャレ系アイドル・バニラビーンズのリサさん、そして全米1位に輝いたパルクール パフォーマーのZENさん――さまざまな分野で活躍する4人の共通点は、「走ること」だ。この日初めて出会い、1時間ほどのトレーニングを共にした彼らに、どんな気持ちが生まれたのだろうか? また、それぞれのランについても語ってもらった。

それぞれのランにまた、刺激を受けて

村上 パルクールのトレーニングは、普段どれくらいやっているんですか?

ZEN ずっとぴょんぴょん飛び跳ねるような練習を8時間とか……でも別にきついわけでもなくて、楽しいまま、気づいたらそれくらいやってます。
高山 8時間も楽しく走るって、なかなか難しいかも……。私は一番長い練習でも30kmくらいだけど、一人だとつらいですね。やっぱり誰かと走るほうが楽しいです。今日みたいに初対面でもトレーニングを一緒にすれば、普通に30分話すよりも一気に打ち解けられる。

リサ 私はひとと走ったのが初めてだったから、隣から笑い声とか聞こえてくるのが青春っぽくて、わくわくしちゃいました。それに、いつもは音楽が必須だからiPhoneが手放せないけど、誰かがいると手ぶらで走れるんですね。

高山 無言でも呼吸を感じるからさみしくないし、会話があれば時計もいらない。楽しさとか気持ちよさを共有したり、みんなでしんどい練習を乗り越えたり、仲間と走るからこそできることってありますよね。

村上 ランを減らしているときって、生活をさぼっているのが自分でわかるんですよね。なんだか心が満たされてないなって思う。気持ちが上向きのときは走っていても気持ちいいし、自分のバロメーターになってますね。

高山 わかるかも。私は、雨が続いて走れなかったりすると、メンタルや身体が滞っているのを感じますね。走れば嫌な気持ちが全部抜けて、爽快になれるから……その感覚を味わいたくて毎日走ったり、外に出たりしてるのかなって思います。

リサ 私は歌うことや話すことが仕事だから、それ以外で何か頑張っていることがほしくて、なんとなく走り出したんです。それで、3年くらいのんびり続いてる。ライブの前なんかは自分の曲を聴きながら、歌詞を覚えたりしてますね。走りながら聴くと、覚えにくい歌詞も自然と入ってくるんです。

高山 私も長台詞があるときは、iPhoneに自分の声を吹き込んで、走りながら繰り返し聞いてます。身体がリズムを刻んでるときに聞くと、頭に入るらしくて。

村上 それ、使わせてください! 話すリズムと走るリズムって似てますもんね。お笑いも間が大事だから、走りながら聞くのは使えるかも。

ZEN 僕も初めて舞台に立たせていただいたとき、台詞を覚えるのに苦労したので、いいことを聞けました。

高山 やっぱり、走ってると五感が研ぎ澄まされて、集中力が生まれるんですよね。脳がすっきりリフレッシュする感覚もあるし。

リサ 確かに。私はわりと疲れた日とか、朝から夜まで働いてた日こそ走っている気がします。特にライブのあとはテンションが高いままになっちゃうから、そのまま帰ると気持ちの行き場がないというか……だから走って、心身を換気してる感じですね。

村上 走ることが生業のZENさんは、どういう感覚なんですか?

ZEN 僕の場合は仕事のランと普段のラン、大会のランがそれぞれに別なんです。普段のランが勉強で、仕事のランが小テスト、大会のランが受験本番みたいな感じ。だから仕事のランが続いちゃうと、トレーニングとして普段のランがしたくなる。今日みたいなイベントはまた別の、インスパイアのランですね。スランプのときには、こういうインスパイアの時間を見つけるために、他のスポーツや舞台なんかに行ったりもします。そのとき必要な答えはきっと、今まで自分がトレーニングしてきたことの外にあると思うから。

村上 若いのにこんなに自分と向き合って……本当にすごい。いろいろ教えてもらいたいです。

一同 (笑)

Photo:Imai Takashi/Text:Sugawara Sakura