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美しくなるために、身体と心のコアを鍛える。

短時間で効果的なトレーニングが行える「クロスフィット」。アメリカを中心に、世界で爆発的な人気を誇るこのフィットネスを、トレーナーとして日本で広めているAyaさん。モデルとしても活躍するその強靭で美しい身体に秘められた、強さを追い求める理由とは。

――まずは、Ayaさんとクロスフィットの出会いについて教えてください。

クロスフィットを始める前は、フィットネスジムのインストラクターをしていました。エアロビクスやボクササイズなどたくさんのプログラムがありますが、動きや次のステップはどの種目もだいたい初めから決まっているので、教えるほうも教えられるほうもどうしてもマンネリ化してしまって。このままでいいのかな? と考えていた矢先に、リーボックから「クロスフィットを日本で広めてみない?」と声をかけてもらったんです。実際に体験してみると、決められた枠のなかでアレンジを加えていく従来のフィットネスとは違い、クロスフィットには飛び跳ねる、走る、物を持ち上げる……など、無限の組み合わせが存在するんです。毎日違うメニューを提供できるし、自分も教えていて飽きがこないし、「これだ!」って、そこからどんどんのめり込んでいきました。

――すごくハードなイメージがありますが、スポーツをする習慣のないひとが、まずクロスフィットから始めてみるというのもありですか?

断然ありですね! 普通のジムから始めたほうがいいと思われるかもしれませんが、クロスフィットは基本的に、起き上がる、歩く、持ち上げるのような、日常生活で使う最低限の筋肉しか鍛えません。筋肉がモリモリになることを気にされる女性も多いんですけど、そんなやり方があるなら私が教えてほしいくらい(笑)。普段の生活で使う動きを応用化しているだけなので、代謝を上げながら誰でも太りにくい身体づくりができますよ。

――クロスフィットで身体を鍛えること以外に、普段の生活で心がけていることはありますか?

野菜やタンパク質を摂るバランスのいい食事、お水をたくさん飲むことなど食事には気をつけています。でも、平日は毎日運動しているので、土日は“チートデイ”にして、何でも食べていい日という風に決めています。鶏のささみしか食べてないんじゃない?なんて言われることもあるんですが、お菓子やケーキが大好きだし、おいしいものを食べるために生きているようなところもあるので。あとは、私の体質柄、高強度な運動をし過ぎると筋肉が大きくなってしまうので、ハードなワークアウトをした翌日は、筋肉の調整として必ずランニングをしています。脚を回転させながら、膨張した筋肉をすとんと下に落としていくイメージです。強くなりたいけど、洋服も大好きだからそれを邪魔したくないし……ランニングなしでは身体をキープできないですね。

――ストレスが溜まってしまったら、どうやって発散していますか?

それもやっぱり、運動しかないですね。以前、インストラクターをしながらファッションモデルをやっていた時期があったのですが、日本のモデルって細ければ細いほどいいというところがあって。私は昔から筋肉質で、運動するとすぐに筋肉がついてしまうから、一時期運動をやめて、野菜しか食べないような生活をしていました。そうすると肌はボロボロになるし、大好きな運動からも離れて、身体を使わない口だけの指導になるし、インストラクターもモデルもどっちつかずになってしまって……。そんなときに、ヴィクトリアズ・シークレットのモデルさんを見てはっとしたんです。彼女たちはとても筋肉質で、日本のモデルではあり得ない体形をしているのに、スーパーモデルと呼ばれて世界中のショーに出ているんです。だから、私もクロスフィットを自分らしく思い切りやって、モデルの仕事は入ればラッキーくらいの気持ちでいることにしました。そうしたら、今まではオーディションに受からなかったようなお仕事が向こうからやってきたりして、クロスフィットをやればやるほど運が動いていったんです。やはり、自分を押し殺して我慢を続けると、運気が回ってこないんだと今は思いますね。

――ご自身のそういった経験を踏まえて、指導者の立場としては、“身体を鍛える”ことが持つ意味とは何だと思われますか?

美しくなるというのは絶対だと思います。あとは、やりきったときの達成感が、のちの人生に必ず活きてくると思うんです。ある会員さんで、最初すごく暗くて、太っていて、それでも人生を変えたいからと、ひとの紹介で来た方がいたんです。運動も全くしていないし、挨拶もしないし、不安に思いながらも毎日通ってもらったら、みるみるうちに痩せていって。そうしたら次は、フルマラソンやトライアスロンに挑戦したり、パーティーを開いたり、自信がついて性格もどんどん変わっていったんです。これは、きついワークアウトをクリアしてきたからこその変化だと思うんです。人生のなかで、自分の限界値にアタックすることって、そんなにないですよね。でも、それをやったことで見えるものがあったり、抱えていたストレスがどうでもよくなったり、あれがクリアできたんだからこれも大丈夫だと思えたり。クロスフィットだけじゃなく、身体を鍛えることで精神的にも強くなっていくんだと、表情が変わっていく会員の方を見ていつも感じています。

――クロスフィットで変わっていくひとがいるなかで、Ayaさん自身も、そのひとたちを見て感じることがたくさんあるんですね。自分自身も楽しみながらタフになるという、Ayaさんの好奇心や向上心の根源にあるものは何なんでしょう。

自分に何が合っているかは、他人ではなく自分が決めることだと思うんです。何がフィットするかわからないから、何でも試したいし、何でも経験したい。子供の頃から、ずっとそうやって手探りしている気がします。やってみないとわからないし、やって失敗したら次に行こうというスタンスのほうが、腐らずにどんどんステップアップしていける気がするんですよね。クロスフィットは、たくさんの動きのなかに無限の組み合わせがある、いわば答えのないフィットネスで、そこから学ぶことは本当に多いです。ひとつのことを極めていくのももちろん素晴らしいですが、ずっと同じラインを歩くのではなく、いろんなものに挑戦することも、人生には必要なんじゃないかと思います。

Photo:Tagawa Yutaro/Text:Saimura Asako

PROFILE

Aya

幼少期から多数のスポーツを経験。フィットネスジムのインストラクターを経て、2011年よりクロスフィットトレーナーに。「Reebok CrossFit Roppongi」の人気トレーナーでありながら、自身のモデル経験も活かし、中村アンさんやすみれさんなど女優やモデルへの指導も行う。更に、ReebokONEアンバサダーとして、クロスフィットはもちろん、健康やフィットネスへの関心を広めるべくさまざまな活動を続けている。