05リサバニラビーンズ

心と体を換気して、プラスを満たす

自分のなかの空気を入れ換えるように、走る。「バニラビーンズのリサ」という存在であるために、彼女は言った。グループ結成から9年。2015年11月にはエイベックスから再度のメジャーデビューも果たした。長く続けていくために、胸に抱えた決断もある。そんなリサさんが日々走りながら、見ている風景とは?

――走り始めたのは3年ほど前とうかがいました。

もともと歩くのがすごく好きだったんですけど、ある日突然「これ、走ったらいい運動になるんじゃない?」と気づいて。大学を卒業して、学校の占めていた時間が日常からなくなったとき、何かひとつ頑張っているものがほしいと思ったのもきっかけでした。初めは5分、次の日は6分と少しずつ時間を伸ばしていって、今は毎日6kmくらいをちょこまか続けています。基本的に家の近所を走るんですけど、新しいお店ができ始めているのとかを見かけると、たまらなくうれしくなったり……あとは、季節によって違う緑の匂いを吸い込んだり。そういう街の変化を感じながら走るのが、気持ちいいんです。

――ランが日常になって、体や心に変化はありましたか?

週に4~5回走るようになってからは、やっぱりなんとなく体が変わってきました。疲れていても、翌朝すごくすっきりして目が覚める。それに、代謝がよくなりましたね。私たちのパフォーマンスは激しいダンスがないので、ライブでたくさん汗をかくことってなかったんですけど、最近は汗をかくようになったんです。 あとは、気持ちがうつむかなくなった。走るときに「ストレスを解消したい」とかはあんまり考えてなくて……ただ単に「換気をしよう」と思ってるだけなんですけど、結果的に気持ちが上向きになってます。走る意義を深く考え込んだりしないで、いい意味で無責任になろうというか。部屋の窓を開けるくらいの感覚で走りたいなって思ってるんです。そうじゃないと、きっと私は続けられないし。

――ライトな感覚で走り続けることが、きっと今のリサさんには必要なんでしょうね。

アイドルって、やっぱり人に夢を持って帰ってもらう仕事だから。いつでもモードをオンにできる人もいるけど、私は素の自分自身がプラスであふれていないと、誰かにそういうものをあげられないタイプなんです。走ることで換気をして、自分のなかにプラスのものをたくさん蓄えて、仕事をするっていう形が合ってるんだと思う。 あと私、走ったあとは必ずSNSでつぶやくんですよ。そうすると「疲れてたけど、リサちゃんが走ったなら僕も行ってくる」っていう人がいたり……私のちょっとした報告が、誰かの走る原動力になる瞬間があるんだって実感したら、すごくうれしくて。走って悪いことなんてないから、そんな良い時間を分けてあげられてよかったって思います。

――そんな自分と、バニラビーンズをどうしていきたいですか。

「二人組といえばバニラビーンズ」って言われるような、息が長くて強い二人になりたいです。いつか楽屋に託児所を作ってライブをするくらいに、って最近よく言ってますね。この1~2年で、そういうことを少しずつ考えられるようになってきました。今はもう、バニラビーンズがすべてです。ここで長く、良い活動を続けていくことが、人生の目標でもある。長く走った先に何があるのかわからないけど、そこにあるものが見たくて、続けてるんですよね。

Photo:Tsutomu Ono/Text:Sakura Sugawara

PROFILE

リサ(バニラビーンズ)

清楚でイノセンスなオシャレ系アイドル「バニラビーンズ」の外はね頭担当。徹底的に作り込まれたビジュアルとサウンドは、有名クリエーターからの支持も厚い。